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【子供が精神障害】
家族の接し方や活用できる社会資源は?

厚生労働省が2017年に実施した調査によると、約50万人の方がうつ病や統合失調症をはじめとする精神障害を抱えているとされています。そのうちの3%にあたる約1万5000人は0~14歳の子供です。*1
精神障害を発症した子供を適切に支えるためには、精神障害への正しい知識が不可欠です。また、長期にわたるサポートを継続するには家族のメンタルケアも必要となります。
今回は精神障害の子供に対する接し方と、家族のメンタルケアのために利用できる社会資源をご紹介します。

目次

精神障害の子供に対する家族の接し方
■ 子供のペースに合わせたコミュニケーション
■ 適切な治療を受けるためのサポート
精神障害の子供へのNG対応
■ 批判や指示を繰り返す
■ 子供の代わりに何でもやってしまう
精神障害の子供を持つ家族が利用できる社会資源
■ 専門家への相談
■ 家族会の活用
まとめ

精神障害の子供に対する家族の接し方

精神障害を持つ子供と接する際には「子供のペースに合わせたコミュニケーション」と「適切な治療を受けるためのサポート」の2つを意識するのが大切です。

子供のペースに合わせたコミュニケーション

私たちの身体は使い過ぎると疲れて動かなくなってしまいます。例えば、筋肉は使い過ぎると筋肉痛になりますし、胃は食べすぎると消化不良を起こしますよね。
実は脳も同じです。「人間関係にいつも悩んでいる」「やるべき課題が多すぎる」など脳に負荷(ストレス)がかかり続けるとうまく働かなくなってしまいます。脳が働かなくなると思考や感情コントロールなどの機能も低下し、精神障害と呼ばれる状態になってしまうのです。

思考や感情コントロール機能が低下すると、コミュニケーションにも支障をきたします。
・相手の話の要点を理解できない
・自分の考えを整理してまとめられない
・感情を抑えて冷静に話せない

といった状態に陥りやすいためです。

そのため、精神障害の子供とコミュニケーションを取る際には、
・簡潔かつ具体的に伝える
・急かさず子供に寄り添いながら話を聞く

という2点を押さえ、子供のペースに寄り添うことが大切です。

適切な治療を受けるためのサポート

精神障害は脳の機能低下であるため、子供は適切な判断や行動を取ることが難しくなります。明らかに普段と違う状態なのに「大丈夫」と主張したり、自己判断で服薬を中断してしまったりすることもあります。
家族は子供を適切な治療につなげられるようにサポートしましょう。
子供が病院受診に拒否的な場合にはまず家族だけで病院に相談に行くのも良いでしょう。病院で適切な対応を教わることで家族が子供をしっかり支えられますし、「どうすればいいか分からない」と不安そうだった家族が病院に通って落ち着いていく姿を見ると、子供は「自分にも良い効果があるかも…」と感じて病院受診に興味を持つかもしれません。
また、病院を受診し始めてからも、子供の様子を丁寧に観察し、必要に応じて病院への付き添いや服薬確認などのサポートを行っていきましょう。

精神障害の子供へのNG対応

苦しんでいる子供を見ると家族も「早く治してあげたい」と焦ります。しかし、焦りから出た対応が子供の精神障害に良くない影響を与えることも。ここでは精神障害の子供へのNG対応についてお話しします。

批判や指示を繰り返す

子供が精神障害になるとつい「早く治ってほしい」という思いから、「もっと〇〇した方がいいんじゃない?」などの指示や「みんなは頑張っているのに、あなただけ甘えているんじゃない?」などの叱責をしたくなります。
しかし、先ほどもお伝えした通り、精神障害は脳の疲れによる機能低下です。筋肉痛で動けない人に「もっと走った方がいいんじゃない?」「甘えているんじゃない?」と言うのが適切ではないように、脳が疲れて動けない人への助言や叱責は意味がありません。むしろ、そういった言葉がストレスとなり、回復を遅らせてしまうことも。
精神障害の子供に必要なのは休息です。焦らず見守っていきましょう。

子供の代わりに何でもやってしまう

先ほど精神障害の子供にストレスをかけないことが大切と説明しましたが、一方で「子供のため」と何でも代わりにやってしまうのも良くありません。
家族が何でも代わりにやってしまうと子供は「自分は何もできない」という無力感を抱き、かえってストレスを感じてしまう場合があります。また、何でも代わりにやってもらえる環境は「自分でやりたい」「自分で頑張りたい」という気持ちを薄れさせ、精神障害の治療への意欲を低下させる危険性もあります。
睡眠や食事などが元気な頃と同程度に回復してきたり、家の中で笑顔が見られるようになったりと、状態が良くなってきたのを感じたら、身の回りのことは本人にさせるようにしましょう。

精神障害の子供を持つ家族が利用できる社会資源

精神障害の子供の心を安定させるためには、家族が安定した関わりを続けていくことが必要です。しかし、実際につらそうな子供を前にすると穏やかではいられないもの。
ここでは、家族の心が揺さぶられる時に支えとなる社会資源をご紹介します。

専門家への相談

精神障害の子供を持つ家族が専門家に相談できる場としては「精神保健福祉センター」「保健センター」「社会福祉協議会」などが挙げられます。

・精神保健福祉センター:精神障害を持つ本人や家族に対して専門家が対面や電話での相談に応じています。(厚生労働省「全国の精神保健福祉センター一覧」
・保健センター:地域住民の健康づくりを目指す保健センターでも精神障害に関する相談に対応しています。(パブリネット「全国の保健所/保健センター」
・社会福祉協議会:地域の医療・保健・教育などの関係者が協力して運営している団体で、精神障害の子供や家族が抱える生活面や金銭面の相談に対応しています。(地域福祉・ボランティア情報ネットワーク「全国の社会福祉協議会一覧」

「具体的な助言だけでなく、苦しい気持ちを誰かに聞いてほしい」という場合には、オンラインカウンセリングの利用もおすすめです。
特にココロの窓口に在籍しているカウンセラーは、精神障害に関する専門知識を持つ公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士であるため、具体的な助言から苦しい気持ちの傾聴まで家族に寄り添いながら対応できます。

家族会の活用

精神障害の子供と向き合っていると、
・「昔はあんなに元気だったのに…」と悲しくなる
・「以前のように元気になるんだろうか?」と不安になる
・「どうして私ばかり我慢しなきゃならないの?」と腹が立つ

など、感情が揺さぶられる場面がたくさんあります。しかし、子供の前でそういったネガティブな感情を吐き出せないため、1人で抱え続けた結果、家族も疲弊して共倒れになってしまうことも。
そういった事態を防ぐために活用したいのが「家族会」です。家族会は精神障害の家族を持つ方が集まり、自分の気持ちを吐き出す場や情報交換を行う場となっています。
「うちもそういう経験があったよ」「私はこうやって乗り切った」と話し合える仲間がいると、それだけで「もう少し頑張ってみようか」と感じられるかもしれません。

まとめ

今回は、精神障害の子供に接する際に押さえておきたいポイントとして、
子供のペースに合わせたコミュニケーション
適切な治療を受けるためのサポート

の2つをご紹介しました。
一方、「早く治ってほしい」という思いから、つい「批判や指示を繰り返す」「代わりに何でもやってあげる」といった行動を取りたくなる場合がありますが、症状の悪化や治療意欲の低下につながる恐れがあるため、あまりおすすめできません。
精神障害の子供をサポートするためには家族の心の安定が不可欠です。専門家への相談や家族会を活用して家族もメンタルケアを意識していきましょう。